このたび、女性リーダーの育成と企業における多様性推進を軸としたコンサルティング企業であるThe Dream Collective(以下、TDC)主催のイベント「多様な人財のパイプライン構築」に、当社SThreeがスポンサーとして参加いたしました。当社のシニアマネージャーであるAlexander Jennerがパネリストとして登壇し、日本の人材分野における最新動向と企業の多様性への取り組みについて話しました。
人材の多様性への注目の高まり
パネルディスカッションの冒頭でTDCの創設者でありマネージングディレクターであるサラ・リュー氏は『現在、組織に優秀な人材を惹きつけるために必要な6文字があるといわれており、その6文字とはESGDEI(ESGとDE&I)です』と述べました。企業のESG(環境・社会・ガバナンス)へのコミットメントはその企業の株価にも大きな影響を与える要素となっており、未だかつてなく重要視されています。そして今回のイベントにおける主なトピックであるDE&Iへの企業の取り組みについても、働き会社を選ぶ際の重要事項と考える求職者が増えています。
当社が2021年から2022年にかけてSTEM分野で活躍する求職者に向けて行った調査では、参加者の83%が、働く先の企業を選ぶ際に、企業のESGへの取り組みや多様性推進、企業文化は非常に重要、もしくは重要と回答しています。この傾向は若い世代において特に顕著に見られ、社会的なインパクトを生み出すことのできる組織で働くことを望む求職者が増えています。グローバル規模で実施した調査では、18歳から22歳の回答者の60%が「ESGへ積極的に取り組んでいる企業で長く働きたい」と回答しています。
現在の日本の人材市場におけるトレンド
イベントでは、現在の日本の人材市場における主なトレンドとして、当社のAlexander Jennerは「日本で10年以上リクルーティングに携わってきましたが、日本は世界でもトップクラスに採用が難しい国だといわれています。とりわけ海外から日本市場に参入しようとしている企業にとってのハードルは高く、慢性的な人材不足に加えて、ビジネスレベルの英語が話せる求職者が少ないことが大きな要因となっています。日本での事業展開を計画している企業でも、適切な人材確保ができないゆえにビジネスの成長を思うように実現できないケースを目にしてきました」と話し、採用が企業の成長に与えるインパクトの大きさを改めて伝えました。
また、近年見られる主な傾向として以下の3点について述べました。
新型コロナウイルスによる働き方の変化
パンデミックにより多くの企業がリモートワークの必要性に迫られ、保守的な日系企業であってもリモートワークを導入する企業が増えたことは非常に大きな変化です。一方で、一時期は取り入れたリモートワークを今後も継続していく企業と、アフターコロナの世界において以前のように出社を基本とする方向性へ戻っていく企業の二極化が見られるため、今後も注視していくべきトレンドです。
労働者の期待値の変化
2025年にはZ世代(1990年代後半から2012年に生まれた世代)が労働人口の30%を占めるようになり、彼らは仕事に求めるものや期待するものも以前の世代とは異なります。雇用主として、求職者を惹きつける方法をアップデートしていく必要があるでしょう。
また、全世代の人口の半分以上を占める女性についても、出産後に働くことを諦めざるを得ない状況になってしまう人が多い点は決して見過ごせません。少子高齢化により労働力不足が減っていく中で、高等教育を受けた女性登用が働くことができないのは極めてもったいない状況です。さらなる女性登用に力を入れていく必要があります。
転職がより一般的に
転職に対する認識は、この10年で大きく変化したと感じます。以前は3年ごとに転職を繰り返している場合、履歴書や職務経歴書の時点で「ジョブ・ホッパー」とみなされ、面接に進むことは極めて難しい状況でした。しかし、急速に技術の進歩が進んでいることもあいまって、転職をキャリアアップのための機会として前向きにとらえる風潮すら見られるようになったのは大きな変化です。

SThreeと多様性への取り組みについて
SThreeはSTEM(科学・テクノロジー・エンジニアリング・数学)分野に特化したグローバルな人材紹介会社です。世界14カ国で事業を展開し、日本オフィスでは20を超える国籍の社員が集まっています。そのため、当社のDNAには多様性が刻まれており、企業文化の核をなしています。また、数多くの企業様のパートナーとして採用をサポートしてきた経験から、人材の多様性を推進し、多様な意見・考え方を受け入れることが企業の成功において大きな役割を担う様子を見てきました。
STEM分野、すなわち理系の分野を代表する職業であるエンジニアや研究者、データアナリストなどは未だに男性のものという認識も強く、女性登用にまだまだ大きな課題を抱える分野です。当社は2021年にはEuropean Diversity AwardsでCompany of the Yearに選ばれ、多様性を大切にする雇用主であると同時に、多様な人材プールを構築し、様々な背景を持つ優秀な人材を採用企業様にご紹介することで、STEM分野全体における人材の多様性を底上げしていくことを目指しています。
SThreeの多様性に対する取り組みに共感いただいて採用のご相談をご希望の採用企業様、また当社のSTEM分野における多様性推進へのビジョンを共有いただける求職者様がいらっしゃいましたら、以下よりお気軽にお問い合わせください。当社のような職場で働くことにご興味をお持ちの皆様に向けたEVP(従業員価値提案書)は以下からご覧いただけます。
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