市場調査結果:

2020年のSTEM領域の雇用市場に影響を与えた5つの要因

世界は日々変化を遂げており、特に2020年はかつてないほどの変化が非常に速いペースで起きた年だといえます。私たちの生活のあらゆる側面が様々な形で影響を受けており、採用の場も例外ではありません。現在の状況に合わせて企業が戦略やビジネスの優先事項を調整する中で、採用計画も常に変化しています。同時に、スキルや知識を持つ個人も今後のキャリアの選択肢や可能性を模索しています。

SThreeが特化するSTEM(科学、テクノロジー、エンジニアリング、数学)分野にとって、これらの変化は一体何を意味するのでしょうか? この度、ライフサイエンス、エンジニアリング、テクノロジーなど、STEM分野の様々な業界に従事するクライアント企業の皆様にご協力いただき、ご意見を伺いました。また当社のコンサルタントへの聞き取りや外部に向けた調査も行い、現在の市場の状況について得られた知見をまとめました。調査回答の多くは主に欧州と米国からのものであるため、日本の動向についても補足として加えています。

数々の変化が見られる中、STEM業界の採用動向に影響を与えていると思われる5つの要因を以下でご紹介します。

 

STEM人材への高い需要

世界的な失業率は各メディアで報道されている通りですが、STEM分野の採用市場は比較的健全な状態を保っているようです。調査にご協力いただいた採用担当者の75%は、現在積極的に採用活動を行っていると答えています。

また、テクノロジー分野の人材、特にサイバーセキュリティやデータ関連の職種は、現在最も採用が難しい職種だと指摘されています。より多くの企業がリモート環境へ移行し、顧客へのアプローチも変化していく中で、新たなビジネス基盤を支えるためのサイバーセキュリティおよびデータ専門家の需要が高まる一方、求められるスキルを持つ人材が不足しているのが現状です。これはライフサイエンス業界においても顕著であり、高い専門知識を持つ人材の獲得は多くの企業にとって課題となっています。

STEM分野において雇用が回復している事実は決して予想を裏切るものではなく、当分野の職業の多くは、現在世界が最も必要とするものです。変化し続ける状況を切り抜け、人と人とのつながりを維持し、健康問題へのあらゆる解決法を探し続ける中で、STEM分野こそが地球規模の大きな課題への答えを提供するものとなります。

 

求職者は新たな領域への挑戦に寛容

以前は、スキルや経験を持つ優秀な求職者の多くは、自身の専門性を活かすことのできるニッチな領域にのみ焦点を当てている傾向が見られました。一方最近では、新しい分野への転職を考える求職者や、業界内でも全く違う職種でのキャリアを検討する求職者が、少しずつではありますが増えています。

どのような職種や職場であっても転用可能なトランスファラブルスキルは、これまで以上に重要です。採用担当者は、従来の人材プールだけでなく、新たな分野でキャリアを築き始める人々や大半の時間をリモートワークで過ごす人々を取りこぼすことなくアプローチをすることで、組織に最適な人材を獲得できる可能性があります。

 

地理的な壁を取り除くことは依然として困難

SThreeでは、6月にSTEMシリーズの一環として働き方の未来に関するディスカッションを開催しました。このディスカッションにパネリストとしてお招きした有識者の方々は、今後、企業の採用方法にも変化が現れると予測しました。具体的には、地理的な壁は障害ではなくなり、より幅広いバックグラウンドを持つ人材を採用することで職場は多様化するとの予測が立てられました。

このような見解は決して珍しいものではありませんが、現状を見てみるとまだまだ道のりは遠いということができそうです。当社のクライアント企業の半数以上が、企業の所在地と異なる地域を拠点とする人材の採用に対して後ろ向きであると回答しており、採用の可能性に制限を設ける結果となっています。

この理由は多岐にわたり、代表的なものとしては、特にライフサイエンス領域では研究室や現場に実際にいる必要があったり、長年成功を積み上げてきた採用担当者であれば自分のやり方を変えることに抵抗があったりといった理由が挙げられるでしょう。

 

採用プロセスの複雑化

次の段落で詳しく述べるように、求人の数と求職者の数のバランスが変わったことで、求人に対する応募者の数が増えています。採用企業にとって応募者が増えることは喜ばしいことですが、新たな課題も生まれます。応募者の数が増えるにつれてプロセスが複雑になり、募集中のすべての職種に対して最適な候補者を選び出すことが難しくなります。

当社の専門ブランドは様々なツールを利用することで効率的な採用プロセスを実現していますが、効果的なリソースなしでこれを行うのは非常に骨の折れる作業です。

具体的な課題として挙げられていたのは、短期的な解決策として募集ポジションに対して資格過剰、つまりスキルや経験がありすぎる人を採用してしまう傾向があり、市場が安定してきた頃にその人物がさらなるキャリアアップを目指して転職してしまうことで、結果的にビジネスにとってマイナスになる可能性があるという点です。採用の状況は組織ごと、そして職種ごとに異なりますが、私たちのリクルートメントコンサルタントは、それぞれの状況に応じた最適なソリューションおよびアドバイスをクライアント企業の皆様に提供しています。

 

求人応募が過去最高に

一部の地域では、求人数に対する応募者数の比率が劇的に増加しています。Benelux(ベルギー・オランダ・ルクセンブルグ)とDACH(オーストリア・ドイツ・スイス)地域では、応募者数が200%増加した業界もあります。

採用活動を縮小・休止する企業も多い中、STEM分野における求人応募が急増したことで、企業にとっては通常時では見つけることが極めて困難な人材を採用できるチャンスが生まれています。財務的な観点からすると、今は採用にとって理想的な時期ではないでしょう。しかし長期的な視点で考えると、この機会を逃してしまうのは非常にもったいないように感じられます。

STEM人材の需要は依然として非常に高く、当社が主に事業を展開する領域においては、採用側が求めるスキルと求職者が持つスキルの間に乖離があるケース(スキルギャップ)が多く見られます。一方で、一部の業界ではこれまでにないほど、新たなキャリアチャンスや転職への関心が高まっています。

これらの動きは、STEM分野におけるスキルギャップが今後縮まっていくことを意味するのか、それともパンデミックによって雇用の状態が大きく変わったことに対する即時的な反応なのか? 今後も注視していく必要があります。

このような状況下で、当社のブランドがどのように皆様の採用や転職を支援できるかについて、詳しくは以下のリンクからお問い合わせください。

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